意地悪な集団

「そうだよね。じゃ、今日から、いじ・・・」
ガララララ―

教室にぞくぞくと生徒が入ってきた。
「じゃ!今日からね。あと、和也。話しかけてきても無視だよ」
末明の言葉にみんなは頷いた。

「話しかけてこないだろ!多分だけどさ」
「まぁ、和也は知らないからねー、あ、今の独り言!何でもないから」
「あ、うん」

ガララララ―
「おっはよー。もういるし!早いねー」
何も知らない晴香は普通に話しかけてきたが、もちろん無視。

「ちょっ、何で無視すんのさ!ねぇ、朱莉~?」
「・・・・・・」
朱莉は後ろの席の私に向かってかすかに微笑んだ。
それに気づいた私ももちろん微笑む。

「何それ!朱莉、今日、移動教室あるじゃん?」
「・・・・・・はぁ」
イラついた朱莉は、苛立ちを抑えるために一息ついた。

「あるから、その時一緒に行こーねっ」
「・・・ねぇ、結衣!理科の移動教室、一緒に行こー!!」
勢いよく後ろを向き、私に声をかけてきた。
「もっちろん。それ言わなくても初めからその気だったよ!」
「そっか、朝話したもんねっ。ごめんごめん、忘れてた」
「もしかして朱莉、今の派おそらく、老化現象の現れだよ」
「嘘だ~!まだ12才なのにー」
「てか、それがマジだったら、60代のとき、どんだけーだよね」
「あ、確かに!ヤバいじゃん!あ、どこかの誰かさんみたい♪」
朱莉の言った、どこかの誰かさんは、雰囲気的に何を示しているのか、すぐに分かった。