意地悪な集団

っつーか、この時間に私がやらなきゃいけない事は・・・
和也に聞くこと。
そう、あの修学旅行の部屋の割り当てについて。

私は班員にそのことを伝え、鎌田の目を盗み和也のグループへ行った。

「ねぇ!」
小さい声で言ったからなのか、和也は返事をしない。
「ねぇ!!」
さっきより大きい声で言った。
「え?」

「あのさー、ちょっといい?」
「別にいいけど、何」
「修学旅行の部屋、なんで男子が広いほうなの!集会のとき、祐里子が勝ったじゃん」
祐里子っていうのは、うちのクラスの学級委員。
「あー、なんか噂ではー、鎌田が変えたらしいね」
「は、何それ」
鎌田どんだけ自己中なわけ?

「男子の人数の方が多いじゃん?だからじゃねぇの?」
「それだけ?」
「噂だけどね」
私のクラスの噂というものは、90%ぐらいの確率で当たる。
だから絶対、その噂のとおりだと思う。