片想いしてる女の子っていうのは余裕がないの!
余裕ぶっこいてる暇なんかないの……って、先輩?
「……もしかして照れてます?」
斜め下を向いて、片手で顔を覆っている。
隠しきれていない耳は、赤くて、きゅんと胸が鳴った。
「……お前ってさぁ、」
はぁーーー、と深いため息をついて、指の隙間から私を睨む。
「言ってくること全部、ストレートすぎんだよ。
言われる身にもなれよ、バァカ」
「バッ!?悪口なんですけど!」
「うるせぇ。もう俺行くから」
ふんっと鼻を鳴らしてそのまま行ってしまう先輩。
「ほら、やっぱり止めたって行っちゃうじゃん」