好きです、センパイッ!!



先輩は片耳に付けていたイヤフォンを取って、頬杖をつく。


私をジッと見る姿に、ドキッとした。





「だから、お前も忘れろ」





昨日の、あの時間。


先輩が嫉妬したこと、可愛いって言ってくれたこと、照れた顔。





「……忘れたくありません」





あの時間は、私と先輩の距離が少しでも近づいていた。

嬉しかった。私の、大切な思い出。


女子とは全く話さない無口な先輩が、私にだけはちゃんと会話をしてくれる。


赤くなった顔を見せてくれる。


……優しくしてくれる。



それって私に気を許してるってことでしょう?




またため息をついた先輩。

そんな彼を今度は私がジッと見る。