先輩のせいで睦月にしてもらったほんのり赤いリップ、落ちちゃったし。


こんなにドキドキしちゃうし。




…分からないの?先輩。





「…先輩に可愛く見てもらいたくて、好かれたくて、メイクしてもらったんですよ。」





そんなことも分からないなんて、どういうことですか、って。

そう思いながら真っ直ぐに先輩を見た





「先輩、私いつもより可愛いですか?」


「…は」


「可愛いですか?って、聞いてるんですっ」





ただ一言、可愛い、って言ってもらいたい。


そうしたら私はもっと頑張れますから。





「……わいい」


「はい?」


「…っくそ、何回も言えるわけないだろ…」


「え」