「…別に?ない。」
ふいっと顔を逸らされて、スマホに視線を移す
……。
「(うん、まぁ、似合ってないって言われるより全然いいんだけど)」
でも、でもさぁ!
もっとさぁ!あるじゃん!!可愛い、って、言ってくれたっていいじゃん…!
心の中ではぁ、とため息をついて先輩の机の前にしゃがむ
先輩に好かれるのはやっぱりかんたんなことじゃないんだなぁ、って。
あらためて実感する
「たーかーひーろー!!!」
そんな時だ。
柴田先輩が大きな声を出しながら入ってきたのは。
…もうっ、どうしてもっと静かに入ってこれないんだこの人は!!
私が言えたことじゃないけどさっ!!

