左手の指に、見覚えのない指輪がつけられていた。
シルバーの、キラキラ光る綺麗な指輪。
バッと先輩を見ると悪戯っぽく笑ってて。
「誕生日だろ、今日」
「え……だって、まだ……」
そう思いながら公園の時計を見る。
時間はぴったり0時。そっか、日付が変わったから……。
「誕生日おめでと、小春」
「うっ……こんなの、ズルいっ」
カフェでのバイトも、こんな時間に来てくれたのも、全部私のため。
そう考えたら泣きそうになる。
……ううん、ていうかもう泣いちゃう。
「ありがとう、ございます……っ」
「はは、どーいたしまして」
顔も性格も良くて、頭も良くて何から何までまで完璧で、
もう本当に、この人が彼氏でいいのかなって思うぐらい。

