正直、俺はまだ小春のことが好きだし、出来るなら側にいたいって思う。
「でも、アイツの笑ってる顔見たらさ、俺の一方的な気持ちを押し付けることなんて出来ないだろ」
アイツには、笑っててほしい。
「……優しいじゃん」
ふ、と柔らかく笑う斎藤。
……優しくなんかねーよ。
隙あれば小春のこと奪ってやろうとか、気持ち悪いこと思う時もあるし。
「ま、なんかあったらさ、私に相談しなよ。話ぐらいなら聞いてあげる」
「……上から目線」
「ふふ」
こんなことを考えているけど、
小春の笑った顔を近くで見られるこのいつもの時間も、悪くないかなって思う。
頬杖をついて窓の外を見上げた。
先輩に想いを寄せている小春に、悔しいけど惹かれた。
好きだって思った。
だから、出来ることなら。
小春には、先輩のそばでずっと笑っててほしい。
……なんて、な。
またカッコつけたことを考えている自分に、心の中で苦笑いをした。
睦月side
END