先輩に想いを寄せているアイツに、多分俺は惚れたんだ。




「うう、先輩がいない学校であと一年過ごせる気がしない……」

「アンタ最近そればっかり。受験生になるんだからもっと他に気にすることあるでしょうが」




3月中旬の教室。

3年生の卒業式が終わって少し経った頃。


春休みまであともうちょっとっていうこの時期は、テストに追われることもなく比較的のんびり過ごせる。



「睦月、アンタも何か言ってやってよ」



小春の隣の席に座っている俺を見て、斎藤が呆れたようにそう言った。




「付き合ってらんねー。さっさと別れちまえ」

「なっ!?睦月!いくらなんでも冗談がキツイよ!?」