「俺バカだからさぁ、なるちゃんらしいとからしくないとかよく分かんねぇけど」

「宗ちゃ、」

「俺はどんななるちゃんでも普通に好き!」




首だけ動かして私を見た宗ちゃんはニヒヒっと笑った。




「だから元気出せよ。家まで送ってやるし!」




……私は、周りのいうイメージ通りにいつも振舞ってきた。

サバサバしてて、悪くいうと計算高い。


そんな自分が、あまり好きじゃなくて。




「……宗ちゃん」

「ん、なに?」




もっと自分に素直になりたくて。


だけど、今日。




「私さ、前よりも、今の自分のこと好きになれたよ」



「えっ、何それ俺のおかげ?俺が好きっつったから!?」

「あはは、いいから前向いて運転してよ」





私は、一歩踏み出せた。









なるみside

END