……いいのかな。
私、素直になっていいのかな?
ふと、今まで小春ちゃんと座って話していた公園の方を振り返る。
「あ……」
泣きそうな、でも必死な顔をして、腕を大きく振って、
小春ちゃんが公園から走って出て行くのが見えた。
……私、
私も、あんな風に……。
小春ちゃんみたいに、必死になりたい。
自分に素直になりたい。
今まで大事に守ってきたものを、壊したい。
ギュッと手のひらを握りしめた。
急いでスマホで時間を確認する。
秀人は、この時間いつもどこにいたっけ?
『俺のとこのマンション、屋上は出入り自由なんだぜ。羨ましいだろー?』
秀人のマンションの屋上。
そこから見える夕陽は、とても綺麗だった。

