好きです、センパイッ!!



……高広のくせに。


冷たい風で乱れた前髪を直しながら、そう呟く。




『……高広の好きな子って、小春ちゃん?』




私がこう聞いた時、赤くなって『な、んだよ、急に』とか言って焦ったくせに。

そりゃ、そうだよね。


だって、あの駅前のカフェでバッタリ会った時、小春ちゃんが他の男の子と一緒にいるのを見て不機嫌になってたもん。


感情が分かりやすく顔に出てた。


あんな高広初めて見たんだ。



自分の気持ちに真っ直ぐで、素直で、純粋で、可愛い。

私は小春ちゃんが羨ましい。


だって私にはないものを持ってるから。




"キャラじゃない"を理由にして、自分の気持ちを言葉にして伝えたことがなかった。


秀人に嫌われるのが、怖かった。

うざがられるのが怖かった。



『好きなもんにはもっと一生懸命になったっていいだろ』