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『……好きなものには"好き"って言葉にして伝えなきゃ。小春ちゃんに、私みたいに後悔してほしくない』
小春ちゃんと別れた後の道で、マフラーに口元を埋めて、私は秀人と別れた時のことを思い出していた。
あの後、私は辛い時に何回も高広を頼って、しまいには『付き合わない?』とか言っちゃって、
寂しさを紛らわせるために付き合うようになって……。
はぁ、本当にバカだな私。
最低なことしかやってない……。
『なるみ、俺やっぱり、お前とはもう付き合えない』
高広に別れ話を切り出された時のことを思い出す。
珍しく高広から電話で呼び出されて、いつもの公園のベンチに座って、それで。
『あ……っと、他に好きな人でも出来た?』
『……それもあるけど、でもお前さ、まだアイツのこと好きなんだろ』
そう言われた時はビックリした。
秀人のことなんか気にしてないってそういうフリばっかりしてたから。
気づいてないと思ってた。

