「……」
その言葉に、何も言えない私。
ギュッとスカートの裾を握る。
……秀人は、中学の頃からの同級生で。卒業と同時に付き合い始めた。
サッカー部で、笑顔がキラキラ眩しくて、たまに強引だけど男らしくて。
まさに私の理想の男の子って感じで。
元から仲は良かったから、付き合うのは時間の問題だった。
そっか、そういえば、付き合おうって言ってくれたのも秀人からだったな……。
「お前と一緒にいるのは気が楽だったけど、なんか違うっつーか」
「……ごめん」
放課後の教室。
あたりはもう暗くなり始めていて、部活で残っていた生徒も帰り始めている。
「……言い訳もなしかよ」
秀人はそう言うと、1人で教室を出た。