バカみたいに真っ直ぐに、素直に、自分の気持ちをぶつけるなんて、

きっと私には一生出来ない。




「なるみ、俺達別れない?」


「……うん、その方がいいかもね」




心の中で、もう長くはないだろうって感じてはいた。

でも、実際言われると、結構グサっとくる。




「じゃあ、明日からは友達同士としてよろしくね」




ブレザーのポケットに両手を入れてヘラっと笑って見せる。

すると、彼氏……じゃない、"元"彼氏の秀人(ヒデト)は眉を寄せた。




「……お前って、いつもそうだよな」

「え?」




彼の小さく呟いた声が、上手く聞き取れなくて。

私は首をかしげた。




「好きだって言うのも、デートに誘うのも、全部俺からだったじゃん。お前、本当に俺のこと好きだった?」