中身はシルバーのイヤリングだった。

キラキラしていてとっても綺麗。



「ありがと……没収されないようにカバンにつけるね」

「ん。じゃあもう帰ろーぜ。駅まで送る」

「いやいやっ、大丈夫!道覚えてるし」

「……そう?」



家の前でバイバイ、と手を振る。

睦月が手を振り返したのを見て、私は背中を向けて歩き出した。




「小春」




名前を呼ばれて振り向くと、彼は優しく笑ってた。




「俺に遠慮とかすんなよ」




睦月が私に言ってくれた言葉たちを、絶対に忘れない。



泣きそうになるのをぐっとこらえる。




……ごめん、睦月。

今まで、ありがとう。