「あ、と、ごめ……っ」
慌てて離れようとすると、睦月はそっと私の頬に触れた。
ドキッと胸が大きく鳴る。
睦月が何をしようとしてるのか、とか、バカな私でも分かる。
ゴクリと唾を飲み込んで、私はギュッと目をつぶった。
ブーッ、ブーッ───。
「っ、わ」
突然鳴り出したスマホにハッとする。
テーブルの上に置いてある私のスマホが、誰かからの電話を知らせていた。
睦月と顔を見合わせる。
き、気まずいな……。
「……電話、取れば」
「ご、ごめんっ」
もうっ、なんてタイミングが悪いんだ!
一体誰よ!こんな時に電話をかけてきたのは……って、
「柴田先輩?どうしたんですか?」

