睦月が持ってきたのは中学の卒業アルバム。
個人写真を指さしながら笑うと、案の定睦月は不機嫌そうに顔をしかめるわけで。
「その"可愛い"って言うのやめろよ。俺男なんだけど」
「やだな、私なりの褒め言葉だよ?」
「腹立つわー」
睦月の反応にクスクスと笑う。
ページをめくるとクラスの集合写真があった。
「んん?ちょっと遠くなると睦月がどれか分かんないや……これ?」
「バーカ、違うし」
「えっ、じゃあこれ?」
「違う」
膝の上に置いているアルバムの写真を指さして行くけど全く当たらない。
「だからー、」
「あっ、分かった!!」
これでしょっ!
指をさしながら隣にいる睦月を見る。
だけど、思った以上に近い距離に睦月の顔があって、私は目を見開いた。

