素直じゃないんだから、睦月は。
ふふん、と笑いながら鏡の前でくるりと一回転。
すると、ちょうど部屋の扉が開いた。
「ごめん、お茶しかなかった」
「全然!ありがと!」
ミニテーブルの前で隣り合って座る。
部屋の時計がカチコチと音を鳴らしてる。
「あ、あれ!あれ見たい!アルバム!」
沈黙に耐えられなくなって大きな声を出す。
忘れかけてたけど、今、この家には睦月と私の2人きり。
『それ、どういう意味かちゃんと分かってる?』
……分かってるもん。
だからこそこんなに緊張してるんだ。
「うわぁ、睦月全然変わってないね!あ、でも中学の時のほうが今よりちょっと可愛らしいよ!」

