「小春、今日放課後ヒマ?」

「え?うん、何も予定ないけど……」



昼休み、柚木とお弁当を食べていると、睦月から突然声をかけられた。

ポロっと箸で掴んでいたウィンナーが落ちる。




「じゃあちょっと付き合って。行きたいとこあるから」

「え」

「それだけ。またな」

「あっ、ちょっと!」




な、何なんだ睦月のやつ……。

大体、いつも一緒に帰ってるじゃん。




「睦月なりにさ、気つかってるんだと思うよ」



頬杖をついて、クスッと笑う柚木に目をパチクリとさせた。



「昨日、先輩のことで泣いちゃったんでしょう?」

「う、うん」



それで、私のことを好いてくれる睦月の気持ちに応えることが出来たら、

きっと私は幸せになれるんじゃないかって思ったの。