「小春、あのさー……」


「ちょっ、柚木!しーっ!バレちゃうから!」





期末試験が終わって、あとは冬休みを待つだけの幸せな学校期間。

昼休みの廊下で、私は柚木の背中に隠れていた。


どうしてかってそりゃ、購買に高広先輩がいるから。





「ぐっ……ここはお昼ご飯ガマンするしかないか……」


「深く考えすぎなのよ。先輩に会ったって何も気にしてないフリすればいいでしょ」


「もう、また簡単にそういうこと言う……」





お弁当を忘れた私は購買でパンを買おうとしていたのに、

そこに先輩がいたから隠れている。



先輩と話したり、顔を見たりするのは、しばらくやめたい。





「……泣きそうになるんだもん」