「ねぇねぇ、聞いた?校門に高広先輩の彼女が来てるんだって!」


「えっ、うそ、先輩いつの間に彼女出来たの!?
今行ったらその彼女見れるかな?」





女の子達の少し大きな声が廊下から聞こえてきた。


柚木がバッと私を見る。





「あ、えっと……そういうこと、らしいんだよねぇ」


「らしいって……」





柚木の視線から耐えられなくなって俯く私。


試験期間は、勉強だけに集中すればいいから先輩達のことを考えなくてすんだ。



だけどそれが終わった今、私も現実を受け止めなくちゃいけない。





「じゃあ、今校門にいるのはなるみさん?」


「うん、多分そう。私もあの2人が手繋いでるところ見たことあるし」


「何それ……そんなの、辛かったに決まってるじゃん……」