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───キーンコーンカーンコーン……。
そのチャイムの音が鳴った瞬間、教室にいるみんなの緊張が解けた。
「はーい、シャーペン置いて。後ろから答案用紙集めてー」
期末試験、終了。
ガバーッと机に突っ伏す。
「小春、どうだった?」
"斎藤"が苗字の柚木は私の前の席。
「とりあえず赤点は回避してるはず……」
くるりと振り返った柚木にそう言うと「お疲れ様」って言ってくれる。
うう、柚木はどうせ今回も高得点連発なんだろうなぁ。
「なんで私の周りって頭いい人ばっかりなんだろう!」
「睦月もあぁ見えて学年3位だもんね。ビックリだわ」
その名前にピクリと反応する。
『……そしたらお前、俺と付き合えばいいじゃん』
『冗談だと思う?』

