そりゃあね、私だって勉強なんかしたくないよ!
勉強しないで赤点回避できる魔法はないかな?とか、考えちゃうよ!
……でもね!!
「もう、甘えられないからね」
パチパチと瞬きをする睦月。
きっと「なにが?」って思ってる。
どういう風に説明しよう、なんて考えていると。
すぐそこの階段の踊り場から、聞き慣れた声がかすかに聞こえた。
思わず立ち止まる私に、睦月は首をかしげる。
「……小春?」
この前のテストの時はさ、先輩に助けてもらったんだよね。
数学が1番やばくて、それで先輩が勉強教えてくれて、そのおかげで70点も取れたの。
でもさ。