「……あ」
ネガティブなことを考えていると、パチっと先輩と目があった。
予想外のことにドキンッと心臓が跳ねる。
高広先輩と目があったことが、今日はいつも以上に嬉しくて。
だから、思わず窓から身を乗り出して、ぶんぶんと大きく手を振った。
「先輩っ!!今日も、めちゃくちゃステキですよーーっ!!!」
黒髪ボブの、サバサバ系美女。そんななるみさんは、先輩の幼なじみで、初恋相手。
『超どストレートに直球勝負すればいいだけだろ』
『お前のいいところなんて、真っ直ぐで素直なとこだけなんだし』
睦月は、こう言ってくれた。
頑張ろうって、思えた。
だけど、薄々感じてる。
なるみさんには敵わないんじゃないかって。