ツンツンと柚木にほっぺたをつつかれて、睦月は顔を真っ赤にさせた。
相変わらず女子の免疫ないんだから……。
まぁそこも睦月の可愛いポイントでもあるんだけど!
2人のやりとりを横目に、外にいる先輩に視線を移す。
無表情か、顔をしかめてるか。
普段の先輩の表情はそんな感じ。
まぁ、それでも最初の頃に比べたら笑った顔を見れるようにはなったけど。
「……先輩、小春が見てますよー」
届くはずもない小さな声を出して、スマホをカーディガンのポケットにしまった。
なるみさんは、高広先輩の笑った顔、きっとたくさん見てきたんだろうなぁ。
先輩もなるみさんには気を許してそうだし。
……いいなぁ……。

