普段は、あぁやって楽しそうに笑ったりしないし……。
貴重な先輩の笑顔をこうやって隠し撮りも出来るから、大満足なんだけどね?
「先輩って、私が声かけなきゃ私の存在に気づいてくれないんだよねー……」
「……小春、ストーカーにだけはなっちゃダメだよ」
パシャパシャと写真を撮り続ける私を見ながら、柚木は呆れたようにそう言った。
いくらなんでも、ストーカーになんてなるわけないじゃんっ。
「私の熱い視線に気づいてくれないなんて……先輩ってば罪な人だよね」
「アンタって救いようがないバカだよね」
「ちょっと柚木ちゃん!冷たいよっ」
それが親友に対する態度!?
ムスッとすると、今度は窓側の席に座る睦月がはぁ、とため息をつくわけで。

