「で、お前何があったんだよ」
「え?」
映画館でチケットを買って、ついでにポップコーンも買って。
指定の席に座った時、睦月はそう言った。
キャラメル味のポップコーンを食べる手を止めて、首をかしげる。
「何か、って?」
「……はぁ」
呆れたようにため息をついた睦月は、ビシッと私の顔を指差した。
ちょっ、ちょっと!
人を指差しちゃいけませんってお母さんに言われなかった!?
「お前が思ってる以上に、お前は顔に出やすいんだよっ。
いつもより元気ねぇし」
まぁ、いつも元気がありすぎてうるせぇからそのぐらいがちょうどいいけど
なんて続ける。
その言葉、私に失礼だよ!