テヘッとウインクをしてみせると、柚木は盛大なため息をつく。



うう、分かってるよ!

自分がどれだけ悪いことをしたか!!


だからこれから睦月にも怒られるんだろうしっ!?





「で、でもねっ、睦月!もう少しで5時間目始まっちゃうからさっ」


「知るか。いいから早く来い」


「うわ、いててっ、襟を引っ張らないで苦しいです睦月くん!!!」





容赦なく私を引っ張っていこうとする睦月。


柚木に助けを求めようとするけど、「先生には保健室行きましたって言っとくわ」だって。



うん、あのね、そういう気遣い今はいらないよ。






「睦月!睦月ってばっ!!!」






誰もいない図書室に着いた時、授業の始まりを知らせるチャイムが鳴って、

やっと睦月も離してくれた。