陽平の想いが嬉しい。


ここまで私を好きでいてくれる陽平に何も言えない。


だって私も陽平に出逢って変わったから。


仕事でもプライベートでも充実した日々を過ごしている。


これは陽平に出逢ったからだ。



「そうだね。私も陽平の気持ちはわかる。」


「莉乃。」


「陽平と出逢って幸せだから。」


「…………。」


「陽平と一緒に過ごせれば疲れも吹き飛ぶ。」


「…………。」


「陽平の気持ちもわかる。」



陽平の頬に手を伸ばして触れる。


お互いに逸らされない視線が交わる。



「陽平が好きだから。私も同じ気持ちだから。」


「莉乃。」


「でも無理はし過ぎないで。」


「うん。」



陽平の頬を撫でていた手に大きな手が絡んでくる。


私と陽平の気持ちは一緒なんだ。


気持ちは分かり合えている。


この時の私はそう思っていた。