「片桐さん、お願いします。」


「片桐さん、これでいいですか?」


「片桐、資料は?」




そんな日々が過ぎていく。


忙しい中で自分の居場所があるのを実感できるのが私の支えでもあった。


ランチには仲良しの後輩たちと。


夜は早く帰れる日には仲良しの後輩たちと飲みに行ったり、後輩くんを誘って飲んだりと………。


なんか後輩ばかりが増えてきている。


なぜなら同期や先輩になれば―――。



「今日は子供と………。」


「今日は奥さんの飯があるから。」



ノロケられる日々だ。


三十路にもなれば既婚者も多い。


女の同期なんて寿退社した人も多い。


すっかり枯れてしまっている私は私なりに後輩たちと楽しんでいる。



「片桐さん、美人なのに………。」


「片桐さん、綺麗なのにね。」



嬉しい言葉も言ってくれるが、『なのに』と付けられる虚しさと日々戦っているのだ。