温もりに擦り寄る。


頭を撫でる感触に現実に引き戻されていく。


ゆっくりと目を開けた。



「莉乃、起きた?」


「あっ、ごめん。寝ちゃってたみたい。」



慌てて体を起き上がらせて座る。



「ははっ、慌てなくても。」


「ごめん、何時?」


「夕方。のんびりと1日が過ごせたね。」



クスクスと笑っている陽平は本当に楽しそうだ。


疲れとか飲み過ぎた翌日のせいなのか、つい眠り過ぎてしまっていた。


大きく伸びをする。



「莉乃の雰囲気が好きだな。」


「雰囲気?」


「そう。ほんわかとしてる。」


「初めて言われた。」


「俺だけが特別に感じるんだな、きっと。」



嬉しそうに笑う陽平は幸せそうに見える。


こんな風に過ごしてくれる彼氏はいたのかな?って感じてしまう。


これが運命なのか?



「莉乃、これからは毎日一緒に通勤できるね。」


「通勤……。そうだね。」


「俺の隣で眠っていいよ。」


「ははっ、ありがとう。」