「もう寝れないね?」



陽平が話し掛けてくる。



「俺は安心だけど。他の奴に寝顔なんて見せたくないから。」


「…………私も見られたくないけどね。」


「俺はいつでも見れるけど。」


「あんまり見ないでくれる?変な顔とかしてるかも。」


「いつも幸せそうに寝てるよ、莉乃は。」



クスリと笑う声が頭の上から聞こえた。


思い出して笑っているのか?



「寝顔に恋するって…………俺、変態かも。」


「…………かもね。」



本当にそうだ。


クスクスと笑っている陽平を見上げれば、本当に可笑しそうに笑っている。


それが幸せに見える。



「どんな出会いがあるのか…………分からないものだね。」


「そうだな。」


「日常に『出会い』ってあるんだね。」


「俺は『莉乃にとっての日常』に入り込んだんだ。自分で切り開いたんだ、きっと。」



陽平の行動力だからこそ、私達は付き合ってこれたんだ。