「俺の未来には…………俺と莉乃、それに子供達がいる。」


「陽平?」


「タイキさんは思い描いた事ある?」


「…………。」


「俺は莉乃に恋した日から思い描いてる。きっと幸せな未来があるんだって。」



初めて聞かされる言葉に私も陽平から目が離せなくなっていた。



「だから再会する機会があればいいけどね、元彼さん。」


「…………。」



運ばれてきたランチを食べ始める陽平を目で追い掛けて離せない。


そんな事まで考えていたなんて知らなかった。


陽平との未来…………。



「元彼さん…………か。やっぱりコドモだな。」



大樹の呟きが小さく漏れた。



「もう挑発には乗らない。元彼と2人で出掛けていく彼女を見送る程、俺は大人じゃないから。」


「莉乃を幸せにしてやって。」


「言われなくてもする。」



視線を感じて目の前に座る大樹を見れば視線が交わる。



「莉乃、幸せになれよ。」


「うん、ありがとう。」



大樹は新人研修の講師も終わり、次の日、京都支社へ戻っていった。