大樹とランチを食べていれば、テーブルの横に人の立つ気配に視線を上げる。


固まる私を見下ろす陽平が立っていた。



「陽平?」


「隣にいい?」


「えっ?他の会社の人は?」


「先に戻った。」



陽平が私の隣に座る姿を目で見て追い掛ける。


大樹も言葉が出ないようだ。



「陽平、何で店が分かったの?」


「莉乃の事なら何でも知ってる。前に話してたのを思い出した。『この店の料理は美味しいんだよ』って。」



唖然と陽平を見つめる。


それは大樹も同じだろう。


マイペースにランチをオーダーしている陽平から目が離せないでいた。



「これと同じメニューを。」



私のランチを指しながら店員にオーダーしている。


大樹も唖然と様子を見つめている。



「莉乃、今日も行くから。」


「あっ、う、うん。」


「莉乃、いつから一緒に住める?」


「…………。」



陽平は何を言ってるんだ。