隣の大樹がクスクスと笑う声が聞こえる。


「この前の『コドモ』って言葉を気にしてるみたいだな。」


「年下なの、彼。」


「はっ?部長だろ?」


「部長でも年下なの。気にするでしょ。」



私達もランチをしに駅の方面へと歩いていく。


陽平は私より年下なのを気にしたのかもしれない。


いくら年の差はなくても年下には変わりないから。



「双葉さんって、いくつ?」


「28。」


「部長?まさか…………フタバ食品の?」


「そう。」



予想はつくだろう。


ちらりと大樹を見れば、大樹の視線と交わる。



「釣り合うのか?苦労するぞ。」


「かもね。でも彼が好きだから。」


「そっか。今なら俺もフリーだぞ。」


「ないから。」



本気なのか、本気じゃないのか…………本当に分からなくなる。


付き合ってた時も、大樹は本気で私を好きだったのかも分からないんだから。