「…………いつもと同じよ。」


「数日前の片桐さんとは別人ですよ。なんか溜め息ばっか漏らして悩んでるのがバレバレでしたから。」


「…………。」


「良かったですね。」



私が陽平の事で凄く悩んでたのがバレバレだったのか?


今日は浮かれてる?


否定できないかもしれない。


陽平との旅行は凄く楽しかったし、嬉しい言葉も凄く言われた気がする。


つい口元が緩んでしまうのを山中は気付いた?



「今度飲みましょう、片桐さん。」


「いいよ。」



とりあえず話は終わらせたい。


誰が聞き耳を立てているか分からないから。


今度こそ、休暇明けの頭を切り替えて仕事に集中した。


佐東さんの指示で休暇前にプロジェクトメンバーには作業依頼してあった。


今日はその確認が主な作業か。


ん?


佐東さんの指示で…………。


そういう事か。


佐東さんは私が休暇を取るのを知ってたから指示を出していたんだ。


陽平は本当に思いつきではなく、私との旅行を計画していた事になる。