「今すぐじゃなくていい。でも莉乃と結婚したい。それは覚えておいて。」


「陽平。」


「あっ、でも莉乃も誕生日が来たから早くしようかな。子供も2人は欲しいから。」


「なっ、まだまだ産めます。」


「頼むよ、莉乃。」



何をだ。


むくれる私を陽平が笑っている。



「莉乃、大好き。」


「…………。」


「仲直りのキス。」



陽平がキスを落とすが離れていかない。


そのままベッドに押されて倒されてしまった。


陽平の重みが鼓動を速めていく。



「莉乃、好き。」


「陽平。」


「莉乃は?」


「…………好き。」


「莉乃、好きだよ。」



甘い陽平の囁きがムードを作り上げていく。


それに流されてしまうのは陽平に落ちているからだ。


サプライズの旅行は甘い甘い二人っきりの生活になった。


二人で料理をしたり、散歩に出掛けたり、買い物をしたりして過ごした。


一緒に過ごせなかった一ヶ月を穴埋めするかのように一緒にいた。



「莉乃、プレゼント。」


「…………。」



朝起きて気づいたのは左手の薬指に嵌る指輪だ。


寝ている間に陽平が嵌めたらしい。



「また直ぐに贈るから。次はダイヤの指輪。」



陽平の言葉に口元が緩んでしまったのは…………気づかれてしまったのだろうか?


甘い二人っきりの生活も悪くない。


そんな旅行をプレゼントしてくれた。