「莉乃は俺のどこが好き？御曹司だから好きなの？」


「はっ？違うし。」


「なら、どこが好き？」


「…………。」



突然言われると困る。



「やっぱり御曹司だから？」


「違う。例えば……陽平の甘い所。」


「それだけ？」


「陽平の尽くしてくれる所。」


「他は？」


「私を好きでいてくれる所。」


「他にはない？」


「陽平の側にいると心地いいの。」



ニヤニヤと笑う陽平に頬が染まってしまう。


なんか恥ずかしい事をさらっと口にしてるような感覚に陥ってきた。


つい乗せられて恥ずかしい。


両手を頬に当てて冷やそうとすれば、クスクスと笑う声が聞こえる。


目の前の陽平が幸せいっぱいな表情で笑っていた。



「莉乃は俺自身を好きでいてくれてるだろ。だったら……それでいいだろ。」


「でも結婚は別のような。」


「別じゃない。俺は幸せになりたいから。」



陽平の幸せな笑みを見ていると今が本当に幸せなんだと感じる。