こっちむいて?羽生

驚いたように目を丸くして、美羽は私の顔をじっと見ていたけれど、やがてふっと優しく笑って言った。


「そんなことないよ?」


その余裕な態度が私のきもちに火をつけた。


「だったらなんで?

卒業式なのにまた美羽に告白みたいなことするの?

とっくに諦めてたと思ってたのに……

だから、自分の気持ち伝えようと思ったのに……

もしかしたら少しは可能性があるかもって

だけどあいつは報われないのにいつまでも美羽を思ってる

私の入る隙間なんかないって、思い知っちゃったから……」


言いたくないことまで全部ぶちまけて、美羽の顔を見ることが出来ずに私はそっと俯いた。


そんな私を労るように、美羽は羽生と何があったのかを話し始めた。


「違うよ?愛里

私、告白なんかされてない

聞きたいことがあるって言われただけなの」


「聞きたいこと?」


そう言われてもピンとこなかった。


わざわざそんなことで、廊下に呼び出したりするだろうか?