こっちむいて?羽生

さっきまで笑ってた羽生が急に真面目な顔になって私の顔を見た。


「誰……とか、聞いてもいい?」


ずるいなぁ、私に言わせるつもり?


なんか悔しいかも……


「羽生は?好きな子いるの?」


だから逆に聞いてやった。


言いなさいよ、美羽に告白したときみたいに。


さっきの質問て、私のこと好きだから知りたいんじゃないの?


私の心を読んだのか、羽生はハハッと笑って、いるよと優しく呟いた。


「だ、誰?」


「お前、ずりぃ!

俺が先に聞いたんだろ?」


「人に物を聞くときは、まず自分からって言うでしょ?」


プイッと横を向くと、羽生が椅子から立ち上がった気配がした。


「あったまきた、もぉ知らねー」


えっ?うそ!もしかして怒った?


慌てて上を向くと、すぐ側に羽生はいて、そのまま自分の顔を下ろしてきた。


は?な、なにこれ、ちょっ!


気づいたら羽生の唇が私の唇に重なって……


すぐに離された羽生の顔は、心なしか赤い。


放心状態の私の顔をチラッと見て、それから……


「そういうこと」


そう、いけしゃあしゃあと言い放った。