ガラッ

教室にドアを開ける音がひびく。

「はぁ、……」

「かっ花梨?ど、どしたの!」

少し息が切れる私の名前をよぶポニテの女子。

「明里!」

「花梨!」

ここで バッ!と抱きつけばカッコ良く決まるのだが、そうはいかない。
私は、腕を広げる明里の真横を素通りし、席に座る。

「ちょっと!」

「どうしました明里さん?」

「……」

「ねえ、どうしました、はあたしのセリフ!!花梨、ホントにどした?」

少しの沈黙の後、心配してくれる明里。ちょっといじっぱりだけど、やっぱり優しい。

「はぁ、それが…」

「それが?」

前のめりになる明里。