私は、円堂あさみ。高1よ。

「あさみ!早くリビングに下りてらっしゃい!遅れるでしょ!」

私がいるのは、2階。1階から、お母さんの怒鳴るような声が聞こえる。ていうか、もう、怒鳴っているんだけどね。あはは。

っと、ちなみに、遅れるでしょ!っていうのは、学校じゃなくて、お母さんが働いている“会社のこと”。ああ、おっかしい。

…お母さんは、私のことなんか考えてくれない。いつも自分のことばっかり。もうこの際、悲しいなんて言ってらんない。開き直んなきゃ。

「はーやーく!…あんたもしかして、まだ寝てるの!?起きなさい!」

…おっと、こうしちゃいられない。早くリビングに行かなきゃ。そうじゃないと、いつ私にカミナリが落ちるかわかんないもん。

“トン、トン、トン、…ドゴッ”

「いったい!あ、足がっ、あがっ」

さっきのドゴッって音は、私。焦って階段を踏みはずしちゃった。私のドジな性格は、幼い頃から変わんない、かあ。


「おはよう。お母さん。」