この手足が本物であったのなら。

この体に血がかよっていたのなら。

この体温が自分のものであったのなら。

この体が鼓動を刻んでいたのなら。




この気持ちが本物で、自分のもので

作られたものでなかったのなら…




こんなに苦しい想いをすることも

大切な2人を苦しめることも

作り物の涙を流すこともなく




ほんとうに心の底から愛した人と

幸せになることができたのかな──。



こんなに苦しい想いをするなら、させるなら



私は生みだされたくなかった。