不思議な人ね。
パニック状態に陥ってた私を微笑み一つで安心させる事が出来るなんて。
先程までの恐怖心は微塵も残っていなかった。
「確かに俺と彼女は赤の他人だよ。でも、今にも泣きそうな顔して震えてる子を放っておくなんて出来るわけないじゃん」
「はっお前みたいな奴なんて言うかしってるか?
偽善者って言うんだよ」
偽善者……
確かにどうして助けてくれたのかがわからない。
でも少なくとも襲おうとしてたコイツらに彼が偽善者呼ばわりされるのは許せない。
「偽善者ねぇ?別になんと思われても構わないけどそろそろ意味のない会話は止めない?早くしないと面倒な奴が探しに来ちゃうんだよね」
「テメェの事情なんか知るかよ!タケ!さっさとコイツ片付けるぞ!!」
タケと呼ばれたもう一人の男が頷いて懐に手を入れる。
出てきた物は――
キラリと銀色に輝く先の尖ったナイフだった。
