ドサッ
目の前にいた男が視界から消えた。
代わりにダークブラウン色の髪をした男が私の事を見つめている。
その視線を逃れるように足下に目線を落とすと先程まで私の目の前にいた男が倒れていた。
理解が追い付かない……とりあえず助かったの……?
「誰だよテメェ!!」
右側にいた男が声を荒らげる。
「テメェよくもやってくれたな!痛い目に会わせてやるよ!!」
それに便乗して反対側の男も騒ぎ出す。
「誰って俺は唯の目撃者だけど……なにか?」
「この女の連れじゃねぇならさっさとどっか消えろよ」
やめて!行かないで!今度こそなにされるかわからないじゃない。お願いだから……
足下にあった目線を彼に戻す。悲願するように彼の瞳を見つめると彼がふわりと笑った。
その表情は『大丈夫だ、安心しろ』と言っているように見えて思わず涙が浮かんだ。
