自室に戻ってベットに横たわる。

普段なら人知れず涙を流して夜を過ごすのだけれど、今日はそうではないようだ。

確かに心は涙を流している。
それでも表に出ないのは夕方号泣したせいかもしれない。


だけど睡魔はいくら寝ても訪れるらしい。

ゆっくりと意識が沈んでいくのを感じる。

それに抗う事をせず意識を手放した。


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『俺、一人じゃ寝れないんだ』


『夜はどうしても一人だから……徹夜だな』


『幼い頃からだから気にするな』


『寝不足なんだよ』


『誰か傍に居てくれ』


『誰かが話しかけててくれると安心して寝れるんだよな』


『茉莉は声出せないだろ。しょうがない』



「なら、私が茉莉の代わりに声を出すわ。大丈夫私達は双子よ。そっくりに出来るわ」



その日から私の声代わりは始まった――