手を引かれ、きらびやかに飾られたショップのウィンドウを眺めていたらふいに妹が立ち止まった。
「どうしたの?」
妹は私の目を見つめた後、視線を左側にを移した。
それに習って私も視線を移すと壁にWCという文字が。
あぁなるほどトイレに行きたいのか。
「私此処で待ってるから行ってきな。バッグは持っててあげる」
そう言うとバッグを私に手渡し、『ありがとう』と口を動かし微笑んだ。
「どういたしまして」
その優しい笑みに微笑み返した。
妹は私の笑みにどこか満足げに頷いてトイレに向かって行った。
ふふっやっぱり可愛らしいな。姉の私からみてそう感じるのだからやはり周りが見てもそうなんだろう。
妹は同性からも異性からにもモテる。
同じ顔の私が言ったらナルシストのように思われるかも知れないが、私達の顔が整っているのは自覚している。
でも他人から見たときに妹は可愛らしい印象を、私はクールな印象をもたれることが多い。
その違いは表情の豊さなんだと思う。
けして私の表情が乏しいわけではないと思う。妹は“声”という感情表現が無いため表情で感情を表現している。
その姿が優しく可愛らしいという印象をもたせているのだろう。