私達が彼と出会ったのは2年前の、高校1年生の夏休みだった――


その日は夏祭りに着ていく浴衣を見ようと大型ショッピングモールに来ていた。

夏休みというのもあってか沢山の人で賑わっていて、涼しい筈の店内が少し蒸し暑く感じていた。


双子というのはそんなに人の目を惹く事なのだろうか?すれ違う大半の人が私達に好奇の視線を向けていた。

今日、初めて外出したわけではないからこんな視線にはもう慣れている。
それでも鬱陶しいのには変わらなかった。


「はぁ……」

思わずため息が漏れる。
どうやらそれは妹も同じだったらしい。少し表情が曇っているように見えた。


「買い物は中断して何処かで一息つく?」

腕時計を見れば12時を少し過ぎた頃だった。

「丁度お昼だしお腹も空いてきたから食事でもしようか!今日はパフェ食べる約束してたでしょ?」


パフェという単語に惹かれたのか、純粋に休憩をしたかったのか、そこら辺は定かではなかったが、満面の笑みで頷いて私の手を引っ張り歩き出したので妹に連れられその場を後にした。