自室に戻りベットに腰を掛け溜め息をつく。
逃げてしまった……
何やってんだろ。
自分がこんな醜い人間だとは思ってなかった。
翔と茉莉が付き合ってから嫉妬なんか数えきれない程してきた。
『翔の隣にいるのが私なら良いのに』
『なんで私じゃなくて茉莉なんだろう』って
でも今日は『私が茉莉なら』
『私が失声症なら翔は私を』って……
今までこんな事思った1回も無かったのにどうして?
もう、どうしたらいいか分からない。
自分がどうしたいのかも分からなくなってきた。
枕に顔を埋めて整理しようと試みるが頭の中がぐちゃぐちゃで、ぶつける所がない感情が涙となって溢れる。
留まる気配のない涙はやがて勢いを増していき枕を濡らしていった――